手順1
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- 「略儀ながら」の「儀」という文字には儀礼や作法といった意味があり、それを略するということは「略式ながら」「簡単ながら」という意味になります。言葉の雰囲気だけを見れば、後で直接会って謝意を申し述べなければならないような気もしますが、これは慣用句として定着している表現ですから、必ずしも会う予定がなければ使ってはならないというわけではありません。
手順2
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- 「略儀ながら」は読んで解る通り、それひとつでは真意を伝え切ることができない言葉ですから、この後に必ず続く文章があります。
最初に略式であることを断っているわけですから、「まずは「略儀ながら」書中にてお知らせ申し上げます」「略儀ながら」書面にてお礼をさせて頂きますなど、本来伝えたかった御礼などをきちんと添えるようにしましょう。
また、紙媒体よりも電子媒体が発達した現代では、「まずは「略儀ながら」メールにて感謝の意を申し上げます」などという活用をする場合があるようです。
時代の変遷とともに活用法が変わってゆくのは、言葉の宿命と言えるかも知れません。
手順3
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- 「略儀ながら」という言葉と似た言葉に「末筆ながら」という言葉がありますが、こちらはまったく意味合いが変わってきますので、意味や用法を間違わないよう注意が必要です。また、本当に大切な方への感謝の意をお伝えする時や、略式が許されない正式な場では、やはり儀礼や作法を優先させるのが最上であるということは心に留めておきたいところですね。
手順4
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- このように「略儀ながら」という言葉には、前提として「略式でも構わないと思われる事柄」を書面にてお伝えするという意味が含まれています。ですから、それが「略儀」で済ませていいことなのかどうかをしっかりと考えた上で用いるのが望ましいと言えるでしょう。現代は様々な儀式や儀礼が「略式」でおこなわれる世の中になりましたが、作法の美しさの名残を感じさせるこういった言葉は、できるだけ後世へと伝えてゆきたいものです。
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